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2022年3月2日8 分

脚本家として成長するためのポイントとは?必要なスキルや脚本家の仕事内容まで徹底解説

独学で脚本の勉強をしている人は、「脚本家になるにはどうすればいいんだろう」と悩む人もいるのではないでしょうか。
 

 
今回は、脚本家について解説したあと、脚本家として成長するためのポイントと、必要なスキルや脚本家の仕事内容まで徹底解説していきます。

【目次】
 
1.脚本家とは
 
2.脚本家になる方法
 
3.脚本家に必要なスキル
 
4.脚本家として成長するためのポイント
 
5.脚本家になりたいならまずは書こう!


 
1. 脚本家とは

脚本といっても、映画からドラマ、アニメ、Youtube動画、ゲームなどさまざまな種類がありますが、脚本家とは、その名の通り脚本を書く人のことを指します。脚本というのは、俳優の台詞からカット割り、照明やカメラワークまで、制作過程で必要なあらゆるものを網羅した「物語の設計図」。作品制作において、非常に重要なカギを握る仕事です。

脚本家はほとんどがフリーランスとして活動していますが、脚本家事務所もあり、所属して活動している脚本家もいます。書いた分だけ報酬が出る歩合制は、フリーランスと脚本家事務所双方で変わりません。

脚本家の仕事内容

脚本家の仕事は、なんといっても「脚本を書くこと」と、「ストーリーの骨組みを作ること」です。自分が書いた脚本をもとに、演出家や役者、美術や照明などで肉付けされていき、最終的に1本の作品に仕上がります。

映画やドラマなど、脚本を書くジャンルは実にさまざま。オリジナルの脚本を書く場合もあれば、漫画や小説から脚本を書き起こす「原作もの」脚本もあります。

基本は一人で執筆することが多いですが、連ドラや長編の場合、ひとつの作品を複数の脚本家で分けて制作する分業形態もあります。

2. 脚本家になる方法

実は、狭き門ではあるものの、脚本家になるための道筋はいくつかあります。「脚本家になる方法がわからない」という人は、ぜひ参考にしてください。

独学でシナリオライターになる

役者から脚本家に転身したり、サラリーマンから脚本家を目指してプロデビューしたりなど、他業界から脚本家になる人もいます。他業界で経験したことは脚本を書く上で活かせる強みもあり、他業界から脚本家にキャリアチェンジした人は少なくないのです。

この場合、別の仕事をしながら脚本の勉強をしてコンクールに応募し、入賞を経て脚本家一本でやっていく方が多いです。この場合、フリーランスで活動していくことになります。

公募・コンクール

公募やコンクールに応募して脚本家への道を切り開くこともできます。
 
小さな劇団が公募しているものから、テレビ局が大々的に応募するコンクールまで実にさまざまなものがあります。

大きなコンクール・コンペは受賞するのは非常に難しく、上位は狭き門となります。しかし、大賞をとった作品はドラマ化や舞台化などが確約されているものもありますので、チャレンジしてみて損はないでしょう。

もちろん、小さな公募でも、少しでも多くの人の目に触れさせたり、入賞することで自信につながります。舞台やテレビ番組を見ていたプロデューサーなどから声がかかる可能性もありますから、ぜひ積極的にトライしてみましょう。

脚本家に関連した仕事で働く

劇団に所属して舞台脚本を書いたり、映画の助監督をしながら脚本の勉強をするなど、脚本に関わる仕事をしながらコンペに出したり、上司や先輩脚本家について学んだりしてチャンスを掴む人もいます。

映像制作の会社で働けば、自分が映像脚本を書く時にどのようなシチュエーションで制作が行われるかわかりますし、舞台関係で働けば、舞台と映像で書ける話にどのような違いがあるか分かります。

どの経験も、あなた自身の脚本の創作活動に活かせます。業界で働いていればツテもできてくるでしょうし、自分を売り込むチャンスもありますから、「取り合えず経験を積みたい」という方は、業界に足を踏み入れてみるのもいいでしょう。

脚本が学べる学校・講座に通う

独学で学ぶよりも脚本について勉強したい、未経験だから経験を積みたいという場合、シナリオ学校に通うことが多いです。シナリオの書き方、フォーマットなどについて勉強した後に、課題に沿って脚本を書いていき、最後には同期の生徒や講師に読んでもらいます。

先生に意見をもらったり、友人同士で切磋琢磨しあいながら、シナリオを書くコツを掴んでいきます。学校限定の脚本コンペに参加できますし、プロと知り合いになれる可能性もあり、就職口も見つかりやすいのが特徴でもあります。


 

3. 脚本家に必要なスキル

脚本家になるために特別な資格は必要ありません。必要なのは、視聴者や観客を魅了するキャラクター作成力や、しっかりしたプロット立案能力、脚本執筆のための文章力です。ここでは、脚本家に必要なスキルについて説明していきます。

企画構成

ヒット作品を生み出すには、企画構成力も必要です。企画は脚本家1人で立てることもありますし、チーム全体で案を持ち寄ることもあります。

また、大きなプロジェクトになると、最初の企画立案はディレクターや制作チームで行い、上がってきた企画書を見ながら作家がプロットを立てます。脚本家の持ってきたプロットに対して、さらにアイデアを付け加えることもあります。

キャラクター作成

エンターテインメントにおいて、キャラクターは非常に重要な要素です。いくらストーリーが秀逸だとしても、キャラクターが魅力的でないと、読み手には作品の良さが伝わりません。キャラクターを生み出す能力は、脚本家にとって必要不可欠と言えるでしょう。

自分が惹かれるキャラクターを探して、なぜ自分が惹かれたのか、どんなところを魅力的に感じたのか知れば、キャラクターづくりの参考になるはずです。

プロット立案能力

それぞれの業界によって、プロットの書き方や形式は異なるかもしれませんが、プロットというのは、ざっくりと言ってしまえば、脚本の全体の構成を短くまとめたものです。

シナリオは映画の設計図といわれますが、プロットはそのシナリオの設計図と言えます。それを読めば、観客がこの作品を通じてどのような体験をしていくのかが、短時間で理解できるからです。小説のような説明的、抽象的な表現はしません。

読者の脳裏に映像が浮かぶように、登場人物のディテールや台詞・動きをできるだけ具体的に書けばOK。構成を柔軟に練ることになるので、プロットの書き方が上達すれば、シナリオ自体も必ずレベルアップするでしょう。

脚本執筆能力

作品の土台となるストーリーの骨組みから、登場人物の細かな動作や情景を描写するための語彙力や、登場人物の動作や台詞、舞台背景などの細かな表現を可能にする文章力、題材やテーマに関するできる限りの知識まで、そのすべてが脚本執筆能力です。

また、さまざまな要素を組み立てるため、いったん完成しても監督やプロデューサーなどから、修正や直しの依頼が入ることも多いです。物語に対する柔軟性も必要となるでしょう。

シリーズ構成能力

売れっ子脚本家はオリジナルの物語を依頼されることもありますが、脚本家は基本的に原作のある物語を構成し直し、面白い話・理解しやすい話にすることが仕事です。そのため、依頼された内容でいかに面白くするかという「物語のシリーズ構成力」も必要になります。

この能力が高いと、複数の脚本家をまとめるポジションの脚本家である【シリーズ構成】という役職に就けます。シリーズ構成は脚本が書けるだけではなれません。各話ごとが破たんしないようにする役割で、コーディネート能力もマネージメント力も要求されるいわば「メインライター」です。脚本家としてプロになっても、その先が必ずあるのです。

4. 脚本家として成長するためのポイント

脚本家になりたいと思っても、どのようなことをすれば成長するのかわからない、教えてもらいたいという方も多いでしょう。そこでこの記事では、最後に、脚本家として成長するためのポイントについて解説します。

現在プロとして活躍してる脚本家に直接教えてもらう

脚本家になるための能力を効率的に身につけるなら、独学よりも実際に脚本を書いているプロに教えてもらう方法がおすすめです。彼らに長年の現場経験で培ってきた知識やノウハウを教えてもらうことで、間違いなく自分の作品もレベルアップできます。

必要な知識を幅広く学ぶ

脚本家になるための決まった道はありません。ただし、ストーリーの構成の仕方や、フォーマットに沿った脚本の書き方など、基本的な知識が必要とされます。

また、文章を書くためには、裏付けとなる豊富な知識が必要です。その知識を必要に応じて引き出して文章にしていくためです。

  • 誰でも理解できる日本語を使える「国語力」

  • 現代のこと・過去のことを理解する「社会力」

なども、脚本制作の役に立つでしょう。
 
普段から多くのことを学び、吸収していく必要があります。

実際に書いて、フィードバックをもらう

自分で作品を書いただけで終わってしまうと、独りよがりになってしまって人に伝わりにくいものになってしまいます。だからこそ、たくさんの他人の目に触れさせてフィードバックを受けて、人の心に届くものにブラッシュアップしていく必要があります。

それが一流の脚本家になるために必須なのです。シナリオスクールに通っている場合はフィードバックの場が多く用意されていますが、そうでない場合は、脚本をシナリオコンクールに参加させるのがおすすめです。貴重なフィードバックをもらえることもあり、今後の大きな成長や気付きになるでしょう。

5. 脚本家になりたいならまずは書こう!

最近ではオンラインドラマやYouTubeなど、脚本家の新しい活躍の場はどんどん広がっています。脚本家になりたいと思ったら、まずは学ぶことから始めましょう。

脚本家になるにはシナリオスクールへ通う方法が一般的ですが、コンクールへの応募など、書き続けることが望ましいです。脚本家になるまでは大変な道のりですが、必要なことをしっかりと身につけ、シナリオを書き慣れることが近道だと言えるでしょう。
 


 
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