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脚本家になるには?プロの脚本家がリアル体験談を紹介

更新日:2022年2月3日

「脚本家になりたい!」という夢をもち、脚本の勉強に励んでいる人がたくさんいます。

独学で脚本の勉強をしている人は、「脚本家になるにはどうすればいいんだろう」と悩む人もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、まず脚本家の仕事内容ややりがいといった、脚本家について解説します。

さらに、実際に脚本家として活躍しているプロに、脚本家になるにはどうすればいいのか、どうやって脚本家として食べていけるようになったのかというところまで、詳しくご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。



目次】
1.脚本家とは
2.脚本家になる方法
3.脚本家に向いている人の特徴
4.現場で活躍している脚本家はこうして今がある
 ・ブラジリィー・アン・山田
 ・三浦有為子
 ・小森さじ
5.脚本家への道はたくさんある!まずは書くことから

1. 脚本家とは


脚本家とは、その名の通り脚本を書く人のことを指します。

一言で脚本といっても、映画からドラマ、アニメ、Youtube動画、ゲームなどさまざまな種類があります。

ドラマ専門の脚本を書く脚本家もいれば、さまざまな分野の脚本を書く脚本家もいるなど、その活動範囲は幅広いです。


ちなみに、ゲームやアニメなどの脚本を書く人のことは、「脚本家」ではなく「シナリオライター」と呼びます。



脚本家の仕事内容

脚本家の仕事は、やはり脚本を書くことです。

先にも触れていますが、映画やドラマなど、脚本を書く作品の種類は実にさまざま。


また、オリジナルのストーリーで脚本を書く場合もあれば、漫画や小説から脚本を書き起こすケースもあります。

時にはひとつの作品を複数の脚本家で分けて制作する場合もあり、これらすべてが脚本家の仕事です。




小説作家と脚本家の違い


作品を作る上での小説と脚本の違いとしては、小説は細かい描写まで書きながらストーリーを作っていくのに対し、脚本家はストーリーの骨組みを作るようなイメージです。

例えば小説の場合、「赤いコップに入ったコーヒーからは白い湯気が立ち…」といった描写まで細かく書きますが、脚本は「コップに入ったコーヒーを飲む」といった描写になります。


仕事としての違いは、小説家は書いた小説が書籍という商品になる場合がありますが、脚本家は書いたものが商品になることはないという点です。

映画やアニメなど、作品をつくる過程に脚本が存在するので、脚本そのものが商品になることはありません。



脚本家の働き方

脚本家は、ほとんどがフリーランスとして活動しています。

脚本家1本で食べて行く人もいれば、会社員やアルバイトとしてほかの仕事をしながら脚本家の活動をしている人も少なくありません。

脚本家事務所もあり、所属して活動している脚本家もいます。

脚本家事務所の収入は事務所によって異なると思われますが、フリーランスと同様に書いた分だけ報酬が出るという形が多いのではないでしょうか。


やりがい


先にも触れていますが、脚本家の仕事はストーリーの骨組みを作ることです。

自分が書いた脚本をもとに、演出家や役者、美術や証明といったスタッフによってストーリーが肉付けされていき、最終的に1本の作品に仕上がります。

それぞれの専門家がチームとなってひとつの作品を作り上げていくことは、とても充実感があります。


また、オリジナルの脚本を書いてその作品がヒットしたら、脚本家として大いに注目されます。

脚本は作品の核となるポジションなので、自分が書いた脚本がなければその作品は仕上がらないのです。

ひとつの作品が自分の書いた脚本をもとに作られていくことは、大きなやりがいだといえます。


大変なところ


創作すべてにいえることですが、ストーリーを作り出すということはそれ自体がとても大変な作業です。

アイディアが枯渇することもありますし、頭で思っていることをうまく脚本に落とし込めずに悩んでしまうときも多々あります。


そんな思いをして制作した脚本も、ヒットするとは限りません。

ときにはお蔵入りしてしまうこともありますが、それでもチャレンジし続ける強い精神が必要です。


また、テレビドラマの脚本の場合は変更が入る可能性が高く、都度その変更に対応しなければなりません。

例えば朝ドラは毎日放送されますが、撮影途中で役者がケガや病気をして降板しなければならなくなった場合、そこから後の脚本をすべて書き換えなければならないことがあります。

降板になった役者の役が死んだことにするなど、大幅にストーリーを書き換えなければならない場合があり、寝る間もなく作業しなければいけないことも。

やりがいが大きい反面、大変なことも多いのが脚本家の仕事です。



2. 脚本家になる方法

脚本家になる方法がわからない」という人も多いようです。

しかし、狭き門ではあるものの、脚本家になるための道筋は意外と多いです。



脚本が学べる学校に通う


独学で学ぶよりも、しっかりイチから脚本について勉強したいという人は、シナリオ学校に通うケースが多いです。


シナリオの書き方、フォーマットなどについて勉強した後に、課題に沿って脚本を書き、同期の生徒や講師に披露して意見をもらいながら、シナリオを書くコツを掴んでいきます。

同じ夢をもつ仲間と叱咤激励しながら脚本への学びを深めることができますし、まれに学校限定の脚本コンペに参加できることもあります。

公募・コンクール


独学の人もシナリオ学校で勉強した人も、公募やコンクールに応募して脚本家への道を切り開こうとする人はとても多いです。

公募やコンクールには実にさまざまなものがあり、小さな劇団が公募しているものもあれば、テレビ局が大々的に応募するコンクールもあります。


大きなコンクールだと当然狭き門となりますが、大賞をとった作品はドラマ化が確約されているものもありますので、脚本家への道に直接的につながるという点が大きなメリットです。


小さな公募でも、入賞することで自信につながりますし、少しでも多くの人の目に触れることで、脚本家としてプロデューサーなどから声がかかる可能性があります。



脚本家に関連した仕事で働く


劇団に所属して舞台脚本を書いたり、映画の助監督をしながら脚本の勉強をするなど、脚本に関わる仕事をしながらチャンスを掴む人もいます。

脚本に関わる仕事に就くことで、映像制作のイロハを学ぶことができますし、それを脚本の創作活動に活かせます。



他業界から、脚本家にキャリアチェンジ


役者を目指して活動していたけれど、思うところあって脚本家に転身した人。

サラリーマンから脚本家を目指して勉強し、見事にプロデビューした人など、他業界から脚本家にキャリアチェンジした人は少なくありません。

もともと脚本家はフリーランスで活動している人が多いので、別の仕事をしながら脚本の勉強をしてコンクールに応募し、入賞を経て脚本家一本でやっていく…というパターンがとても多いのです。

高校や大学を卒業してからシナリオ学校に通い、修了と同時に脚本家になるという人はほとんどいません。 

他業界で経験したことは脚本を書く上で活かせるので、どんな人生も脚本家にとって無駄になることはないのです。



3. 脚本家に向いている人の特徴

「映画が好き」、「舞台が好き」ということ以外で、脚本家に向いている人にはどのような特徴があるかを考えてみました。


新しい企画を考える発想力がある


脚本家は、次々にストーリーを作るためのアイディアを出し続けなければなりません。

制作は、プロデューサーから「こんな方向で」と大まかなテーマを指定されることも多く、そのテーマに沿ってストーリーの企画を考えなければならないので、発想力があることはマストです。


もともと発想力がある人でも、絶え間なくアイディアを出し続けるうちにアイディアが枯渇してしまうこともあります。

それでもいろいろな情報を吸収し、アイディアとして発信することができるタフさも必要です。



責任感がある


脚本家の仕事は必ず〆切が設定されますし、〆切内に脚本を提出しても、急な変更を要することもしょっちゅうです。

自分に予定があるからと修正を断ってしまえば、作品作りがそこでストップしてしまいます。

脚本家としての仕事をまっとうするには、一度引き受けた仕事はどんなことがあっても完遂するという責任感なしではあり得ません。

責任感があり、与えられた仕事を相手が満足する形で仕上げようと頑張れる人は、脚本家に向いています。



物語を構成する


ストーリーを書くことが脚本家の仕事ですが、先に解説したとおり脚本家と小説家では書くストーリーの作り方が変わってきます。 脚本は物語の骨組みのような位置づけなので、家がストーリーを作る際には、ストーリーを「構成していく」という要素が必要です。 構成には視聴者や観客に受け入れられるための要素を取り入れることも大切なので、構成力のある人は脚本家に向いているといえます。 映画向きの構成、ドラマ向けの構成など、作品のタイプによって求められる構成は変わってきます。 これらを加味した上で、作品タイプに合わせた構成ができる人は、よい脚本を書くことができるでしょう。



4. 現場で活躍している脚本家はこうして今がある


「脚本家になるにはどうすればいいんだろう」と悩んでいる人に向けて、実際に脚本家として活躍している3名に話を伺いました。

脚本家として食べていけるようになるまでの道のりは、どのようなものだったのでしょうか。

事例1 


ブラジリィー・アン・山田氏は、は25歳のときに劇団『ブラジル』を旗揚げして、20本以上の作品を制作。 当時から脚本を書くということは日常的に行っていたので、脚本家として活動するきっかけとしてはこのことがとても大きかったと思われます。 とはいえ、当時は脚本を書いてもまったくお金にはならず、むしろ劇団が赤字になれば持ち出しで補填していました。

書いた脚本からお金を得られるようになったのは、自分で作った舞台作品を気に入ってくださったプロデューサーの方が、『世にも奇妙な物語』の脚本の話をいただいたのがきっかけで、プロの脚本家デビューを果たしました。

とはいえ、デビュー後もすぐに売れっ子…というわけにはいかず、アルバイトを掛け持ちする毎日。 それでもいただいた仕事を一所懸命こなすことで、食べていけるだけの収入を得られるようになりました。

ここにたどり着くまでに一番大事なのは、「納期を守ること」。

まずはこれがスタート地点です。プロデューサーや監督、他もろもろ様々な人がそれぞれ全く違うことを言ったりします。 「そんな混乱を楽しむというのも、この仕事を続ける才能のひとつであり、15年間のカオスだらけの劇団活動がそんな自分を育ててくれたような気がします」とのことでした。




事例2

三浦有為子氏は俳優を目指して長く勉強してていましたが、「自分は絶対に俳優にはなれない」と27歳の時に気が付いたそうです。

「結婚という逃げ道もないし…」と悩んだ末に決心したのが「劇作家になる」ことでした。

バイトと映画・舞台鑑賞だけに時間を費やし、舞台劇を書き、自主上演した事をきっかけに、非常に幸運な事に映画のプロットを書いてみないかというお誘いをいただいたそうです。

そのまま脚本も書くことになりましたが、映像脚本の書き方が分からなかったため、女優の友人にお願いして段ボール数箱分、映画やドラマの台本を送って頂き何度も何度も読んだとのこと。

そうして、堤幸彦監督と共同脚本となるデビュー作『2LDK』を完成させました。

脚本家になる上でキラリと光った要素は不明ですが、「悩む余地もないほどの一生懸命と思い込みが色々なものを呼び寄せて、デビューに導いてくれたんだなと、今では思う」とのこと。

今でも一つ一つの作品ごとに、自分を信じられるのか?諦めないで挑戦できるのか?自分自身を試されると感じるそう。

常に「これが最後の作品かも」と思いながら書いているとのことでした。



事例3

脚本家の中には、演劇など精力的に創作活動をしている作家も多いですが、小森さじ氏は、数年前まで会社員でした。

アニメに関わる企画を担当する中で、お話を作ることを仕事にできたらなと考えてはいたものの、そもそもどうすれば脚本家なれるのかすらわからない状態だったそう。


しかし、このまま何もしなければ何も変わらないと思い、映画の概論を勉強するためにイギリスの大学院を受験。

同時期に、PTA Inc.がちょうど募集していた脚本講座に申し込みました。


とりあえず動くことから入りましたが、それがきっかけで事務所に声をかけられ、現在に至っています。

会社員とは違う職種といっても、今までの仕事はすべて無駄というわけではなく、さまざまな経験が脚本に生かされているとのこと。


脚本家になっても自分の書いたものを説明するのに企画やプレゼンは必要になります。

他業種から転職した場合でも、自分の経験が役立つ場面が多い職業だといえそうです。




5. 脚本家への道はたくさんある!まずは書くことから



脚本家という仕事に憧れるけれど、現実感がないと感じる人もいるかもしれません。 しかしテレビやドラマ、映画など、映像作品の多くは脚本家が書く脚本を元に作られています。

意外とたくさんの人が脚本家として活動し、作品作りに励んでいるのですね。

これから脚本家になりたいと考えている人は、ぜひまず脚本を書くことから始めてみてはいかがでしょう。

学校に通わなくても、脚本の書き方はインターネットで調べればすぐにわかります。

実際にまずは書いてみることで「もっと頑張りたい」か、「自分には向いていない」と気付くきっかけになるかもしれません。まずは1作書いてみることをおすすめします。




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