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脚本家の仕事とは?仕事内容と人気脚本家の代表作を紹介

みなさんは、ドラマや映画を見るときに脚本家の存在を意識したことはあるでしょうか? 今回は、脚本家とはどのような仕事なのかの紹介に加えて、「ドラマ脚本家と言ったらこの人!」の人気脚本家をセレクトしました。最近話題になっている作品はどんな脚本家が手掛けているのか、代表作品もご紹介します。


【目次】
1.脚本家の仕事とは
2.人気脚本家とその代表作を紹介
3.脚本家でドラマを観ると違った楽しみ方ができる

1.脚本家の仕事とは

脚本といっても、映画からドラマ、アニメ、Youtube動画、ゲームなどさまざまな種類がありますが、脚本家はシナリオライターとも呼ばれ、その名の通り脚本を書く人のことを指します。


俳優や演出家は脚本を元に演技や演出を行っていきます。脚本というのは、俳優の台詞からカット割り、照明やカメラワークまで、制作過程で必要なあらゆるものを網羅した「物語の設計図」。作品制作において、非常に重要なカギを握る仕事です。



脚本家は脚本家事務所に所属して活動しています。フリーランスとして活動して仕事をしている脚本家もおり、業務形態は比較的柔軟と言えるでしょう。報酬は書いた分だけ報酬が出る歩合制で、フリーランスと脚本家事務所双方で変わりません。


脚本家の仕事内容

脚本家の仕事は、まず第一に「ストーリーの骨組みを作ること」です。自分が書いた脚本をもとに、演出家や役者、美術や照明などで肉付けされていき、最終的に1本の作品に仕上がりますから、観客を驚嘆・感動させる構想力が重要となります。


「脚本を書くこと」も当然仕事です。映画やドラマなど、脚本を書くジャンルは実にさまざま。完全にオリジナルの脚本を書く場合もあれば、漫画や小説から脚本を書き起こす「原作もの」脚本もあります。


基本は一人で執筆することが多いですが、連ドラや長編の場合、ひとつの作品を複数の脚本家で分けて制作する分業形態もあります。


脚本家に必要なスキル

脚本家になるために特別な資格は必要ありません。ただ、脚本執筆のための文章力はもちろんですが、いくつかのスキルは求められます。


まず必要なのは、視聴者や観客を魅了するキャラクター作成力です。映画であれドラマであれ舞台であれアニメであれ、キャラクターは非常に重要な要素です。ストーリーが秀逸だとしても、キャラクターが魅力的でないと、読み手には作品の良さが伝わりにくいためです。キャラクターを生み出す能力は、脚本家にとって必要不可欠なスキルです。


また、シナリオは映画の設計図といわれますが、プロットはそのシナリオの設計図と言えます。プロットでは小説のような説明的、抽象的な表現はしません。登場人物のディテールや台詞・動きをできるだけ具体的に書けばOK。観客がこの作品を通じてどのような体験をしていくのかが、短時間で理解できるようにする能力が求められているのです。



2.人気脚本家とその代表作を紹介

最近話題になっている作品はどんな脚本家が手掛けているのでしょうか?  今回は、「ドラマ脚本家と言ったらこの人!」の人気脚本家をセレクトしました。過去どんな作品を作っていたのか、どんな作品を作る傾向があるのかなどをまとめてみました。代表作品もご紹介します。


①古沢良太

出典元(写真):YAHOO!ニュース


第2回テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞を受賞後、デビュー。映画では「ALWAYS」シリーズや「寄生獣」、「探偵はBARにいる」シリーズなど話題の映画を手掛けています。


話が二転三転するような、それでいてコメディなタッチが古沢良太作品の特徴。「コンフィデンスマンJP」は、相手を信用させて詐欺を行う(信用詐欺)、そして騙し騙されストーリーが二転三転するものを描いたコンゲームと呼ばれるジャンルのドラマです。


ドラマでは「ゴンゾウ〜伝説の刑事〜」、「外事警察」といった刑事もの、漫画原作の「鈴木先生」、「リーガル・ハイ」、「デート〜恋とはどんなものかしら〜」も執筆しています。

代表作

映画「ALWAYS」シリーズ、「寄生獣」、「探偵はBARにいる」

ドラマ「ゴンゾウ〜伝説の刑事〜」「外事警察」「リーガル・ハイ」「デート〜恋とはどんなものかしら〜」「コンフィデンスマンJP」



②三谷幸喜

出典元(写真):NEWSポストセブン


1993年に『振り返れば奴がいる』で連続テレビドラマの脚本家としてデビュー。1994年には田村正和主演の倒叙ミステリードラマ『古畑任三郎』の脚本を手がけ、その後も多くの連続ドラマを手がけ、売れっ子脚本家として活躍しています。


代表作

テレビドラマ『古畑任三郎』『王様のレストラン』『竜馬におまかせ!』『総理と呼ばないで』

NHK大河ドラマ「真田丸」

映画

THE 有頂天ホテル(2006年、脚本と監督)

ザ・マジックアワー(2008年、脚本と監督)

ステキな金縛り(2011年、脚本と監督)



③坂元裕二

出典元(写真):シネマトウデイ


第1回フジテレビヤングシナリオ大賞を受賞しデビューしてから4年後に手掛けた「東京ラブストーリー」が大ヒット。


日本テレビで放送されたオリジナル脚本のドラマや「それでも、生きてゆく」といった社会派なドラマのほか、「最高の離婚」、「カルテット」といった、現代社会の問題を鋭く突きつつ、登場人物たちのコミカルな会話も楽しめるストーリーも描いています。


リアルな人間描写や、些細なシーンも伏線にしてしまうプロット力は業界屈指と言われており、幅広い世代から支持されています。舞台や映画にも意欲的なようなので、連続ドラマとはちがう形で坂元裕二脚本作品が観られそうです!

代表作

日本テレビ「Mother」「Woman」「anone」

「東京ラブストーリー」「最高の離婚」「カルテット」



④中園ミホ

出典元(写真):産経新聞ニュース


中園ミホは1959年7月16日生まれ、東京都出身。「NOTE」所属。広告代理店、占い師、脚本家の田中陽造の清書係などを経て、1988年『ニュータウン仮分署』で脚本家デビューしました。


34歳で未婚の母となり、1995年の月9ドラマ『For You』には、シングルマザーとしての経験が反映されているとのこと。『ハケンの品格』、米倉涼子主演の 『ドクターX』シリーズや朝ドラ『花子とアン』など、たくましく働くカッコいい女性像が、同性の支持を集めてきました。


近年は堺雅人主演の『Dr.倫太郎』や大河ドラマ『西郷どん』も担当しており、男性主人公でも評価を得ています。

代表作

フジテレビの『Age,35 恋しくて』『やまとなでしこ』『スタアの恋』

日本テレビ『anego[アネゴ]』『ハケンの品格』

テレビ朝日の『Doctor-X 外科医・大門未知子』

NHK連続テレビ小説『花子とアン』



⑤野島伸司

出典元(写真):シネマトウデイ


1988年5月、『時には母のない子のように』で第2回フジテレビヤングシナリオ大賞を受賞し、メジャーデビューを果たしました。


シナリオ講座の講師だった伴一彦(ばんかずひこ)に師事した後、フジテレビの名物ドラマプロデューサー、大多亮と二人三脚で、トレンディドラマの脚本を手がけていきます。


1988年に第2回フジテレビヤングシナリオ大賞し、本格的にデビューしました。『101回目のプロポーズ』、『プライド』などの泣ける恋愛ドラマを手がける一方で、『高校教師』ではレイプや近親相姦というショッキングで重いテーマを取り上げ、賛否両論を呼びました。


代表作

『101回目のプロポーズ』『プライド』

『高校教師』『高嶺の花』


⑥野木亜紀子

出典元(写真):コナックナタリー


第22回フジテレビヤングシナリオ大賞受賞後、「主に泣いてます」、「空飛ぶ広報室」などの脚本を執筆。小説や漫画の原作ものの脚本を担当することが多い脚本家です。


特にったのは「逃げるは恥だが役に立つ」から注目されるようになり、今年1月スタートの「アンナチュラル」では、オリジナルストーリーによる連続ドラマを手掛けました。


特にドラマはほとんどが女性主人公のもので、キャラクターは違っていても、芯の強い女性を描いていることが多い印象。女性が思わず共感するような作品作りが得意です。


代表作

映画『図書館戦争』『俺物語!!』『アイアムアヒーロー』

ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」「掟上今日子の備忘録」、「重版出来!」



⑦福田靖

出典元(写真):MANTAN WEB


口述筆記で脚本を創作する日本No.1ヒットメーカーである福田靖さん。『BLACK OUT』にて、脚本家としてのデビューを果たしました。


2010年の大河ドラマに起用され、『龍馬伝』の脚本を手がけました。2018年の朝の連続テレビ小説に起用され、『まんぷく』の脚本を手がけています。賞歴としては、ザテレビジョンドラマアカデミー賞の脚本賞などを受賞している売れっ子脚本家です。


代表作

『HERO』シリーズ

『海猿』シリーズ

『ガリレオ』シリーズ

『DOCTORS』シリーズ



⑧岡田惠和

出典元(写真):文春オンライン


ZARDの「負けないで」がエンディングテーマだった「白鳥麗子でございます!」(松雪泰子主演)、TRFの「Survival dAnce 〜no no cry more〜」が主題歌だった「17才-at seventeen-」、Mr.Childrenの「Tomorrow never knows」が主題歌だった「若者のすべて」など、90年代前半のヒットソングをも生み出したドラマを手掛けた印象の強い脚本家。


NHKの連続テレビ小説は3作を手掛けており、人が集まる「場」での会話劇が登場する作品が多いです。物語が大きく動くわけではないけれど、そこで語られる人生訓のようなものにホロッとさせられるシーンを作るのが得意だと思う脚本家です。

代表作

「ビーチボーイズ」、「最後から二番目の恋」

NHKの連続テレビ小説「ちゅらさん」「おひさま」「ひよっこ」



⑨宮藤官九郎

出典元(写真):NHKアーカブス


宮藤官九郎は俳優、ミュージシャン、監督としても活躍し、「クドカン」の愛称で親しまれている脚本家です。2017年、テレビドラマ『ゆとりですがなにか』の脚本による成果が認められ、第67回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞する売れっ子脚本家です。


ハイテンポ&テンションかつ喜怒哀楽を直球で表現する台詞回しと、スピーディな展開が特徴で、視聴者をぐいぐい引き込む脚本家です。


2013年上期の連続テレビ小説『あまちゃん』の脚本を担当し、第78回ザテレビジョンドラマアカデミー賞作品賞・脚本賞や2013年新語・流行語大賞のほか、複数の賞を受賞しました。

代表作

映画「土竜の唄 潜入捜査官REIJ」「舞妓Haaaan!!!」

TBS「ごめんね青春!」「ゆとりですがなにか」「木更津キャッツアイ」シリーズ

NHK大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺〜」



⑩八津弘幸

出典元(写真):映画ナタリー


最終話が42.2%を記録した大ヒットドラマ「半沢直樹」を手掛けた脚本家。男が熱く闘う姿をストレートに表現している作品が多く、主人公の男性が夢や目標に向かって、途中、敵や困難など壁にぶち当たるものの、そんな逆境に立ち向かって、成功をおさめます。


ほかにも「ルーズヴェルト・ゲーム」や「流星ワゴン」、「下町ロケット」、「陸王」といった、池井戸潤や重松清の原作を実写化した、TBS系列の日曜劇場枠で放送されるドラマの脚本も担当しています。


代表作 「半沢直樹」「ルーズヴェルト・ゲーム」「流星ワゴン」

「下町ロケット」「陸王」「家政夫のミタゾノ」



3. 脚本家のことを知って、ドラマを観ると違った楽しみ方ができる

誰が脚本を手掛けているのか意識してドラマを観ている人はそれほど多くないでしょう。


脚本家という切り口でドラマをチェックすると、脚本家が同じだからこそわかる共通点やそれまでその人が手掛けたドラマとのちがいなど、ただ何気なくドラマをチェックするよりも、さらにおもしろい発見ができるはず。


今回ピックアップした脚本家も含め、誰が作品に携わっているのかスタッフ側のクレジットもチェックしながら、ドラマ鑑賞してみましょう!

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