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ストーリーマーケティングを成功させるポイントと事例集
本記事では、自社の思いや魅力をユーザーに伝え、共感を得るための手法「ストーリーマーケティング」について解説しています。
「ストーリーマーケティングとは」というところから、ストーリーマーケティングを成功させるためのポイントについて解説しているほか、ストーリーマーケティングの事例もご紹介しています。
【目次】
1.ストーリーマーケティングとは
2.ストーリーマーケティングの構成要素
3.ストーリーマーケティングを成功させるための4つのポイント
4.ストーリーマーケティングの事例
5.ストーリーマーケティングで自社サービスのファンを増やす
1. ストーリーマーケティングとは
「ストーリーマーケティング」とは、企業や商品そのものをPRするのではなく、その対象に込めた思いや、ヒストリーなどをストーリー動画にして配信し、共感を得ることを目的とした方法です。
「ストーリーテリング」とも呼ばれます。
CMや動画広告では、対象におけるメリットをダイレクトに紹介して販売を促しますが、ストーリーマーケティングではそれを利用することで何を得られるかを伝えます。
またストーリーマーケティングに共感してもらうことで高感度を高め、自社や製品のファンを増やすことで、別の視点からユーザーの購買意欲を促すことが可能です。
ちなみに、ストーリーマーケティングと似た手法として「ナラティブマーケティング」があります。
ストーリーマーケティングでは物語の主人公が製品や企業であるのに対し、ナラティブマーケティングはユーザーを主人公としたストーリーを展開している点が異なります。
2. ストーリーマーケティングの構成要素
よりユーザーの共感を得るためのストーリーマーケティングを実践するには、ストーリー構成が重要になります。
中心となる構成要素は、以下の6つです。
視覚効果(舞台装置)
性格(キャラクター)
ストーリー(プロット)
語法(台詞)
歌曲(メロディー)
思考(弁論術)
どれかひとつだけが特出しているのではなく、すべての要素をしっかり構成することで、ストーリーマーケティングの魅力を引き立てることができます。
それぞれの要素について、詳しく見ていきましょう。
視覚効果(舞台装置)
視覚効果は、ユーザーに世界観を伝えるためにとても重要な要素となります。
映画やライブなどでも、さまざまな舞台演出が行われていて、その世界観に魅了される人は多いのではないでしょうか。
現在は動画技術が非常に進歩しているため、伝えたい世界観を自在に表現することが可能です。
技術はもちろんですが、どんな世界観を表現したいかについて、しっかり企画を練ることも重要になります。
性格(キャラクター)
ストーリーマーケティングで制作する動画には、多くの場合主人公をはじめとする登場人物がいます。
それらの性格(キャラクター)を、ストーリーに合わせた設定にすることも、ストーリーマーケティングにおいて欠かせない要素です。
登場するキャラクターが企業の魅力を表現するので、例えば登場人物が社長本人であるというケースもあるでしょう。
キャラクターのいろいろな表情をよりユーザーに理解してもらうために、SNSやブログを通じて発信していくのも効果的です。
ストーリー(プロット)
ストーリーマーケティングにおける「ストーリー」は、動画の中で起こる出来事のプロットを指します。
ストーリーの中で登場するキャラクターが、どのような行動をするのかをしっかり考えて生まれた物語は、ユーザーを感動させたり、共感させることができるはずです。
ユーザーの共感を得られるような要素を、出来事としてどのように積み上げていくのかは、ストーリーマーケティングを実践する上での6つの要素の中で、もっとも重要だといえます。
語法(台詞)
台詞は、動画の中で直接的にユーザーの心に響くので、より慎重に考える必要があります。
ナレーションだとなんとなく聞き流してしまうけれど、台詞は自然とユーザーの心に入り込むものです。
ストーリーマーケティングに限らず、映画やドラマでも、台詞は深く考え抜かれています。
キャラクターが発する台詞によって、どのようにユーザーの共感を得るかをじっくり練り上げましょう。
歌曲(メロディー)
メロディーを含む「音楽」も、台詞同様自然とユーザーの心に入り込みます。
ストーリーマーケティングに限らず、CMや動画広告でも、ハッとする音楽が流れると、つい見入ってしまうことがありますね。
YouTubeの動画でも、音楽やメロディー、効果音にこだわって作られている動画がたくさんあります。
ユーザーに感じてほしい感情に合わせた音楽やメロディはどんなものか、より深く考えてみましょう。
思考(弁論術)
ストーリーマーケティングの中で、ユーザーの心を動かすために必要な話し方、内容を精査することも忘れてはいけません。
ユーザーの共感を得て、感動を促すことはもちろんですが、内容を理解してもらえるようにわかりやすい表現を用いることも大切です。
3. ストーリーマーケティングを成功させるための4つのポイント
動画制作時の構成において必要な要素を踏まえて、ストーリーマーケティングを成功させるための4つのポイントについて以下に解説します。
①消費者ニーズの把握
「消費者ニーズ」とは、消費者が何を求めているか、何を欲しているかということです。
消費者ニーズを把握せずにストーリーマーケティングを行っても、ユーザーの共感を得ることはできません。
それどころか、ストーリーマーケティングによってユーザーの心が離れてしまう可能性もあります。
消費者は企業や製品に対して何を求めているのか、どんな未来に期待しているのかを徹底的にリサーチし、それに伴ったストーリーマーケティングの制作が重要です。
②失敗・挫折・苦悩の面も入れる
失敗や苦労した面を盛り込むことで、より真剣に事業や商品に向き合ってきたことをユーザーに伝えることができます。
失敗談は印象を下げると思われるかもしれませんが、苦労話を好きな人は多いものです。
よいことばかりを前面に出すよりも、マイナス面も散りばめるほうが誠実さや人間らしさが伝わりやすくなります。
失敗談といっても、いろいろな種類があります。
中にはユーザーがよしとしない失敗談もあると思われるため、まずは失敗談を出し合い、ユーザーの共感を得られる失敗談は何かを検討しましょう。
普段からよいことも悪いことも情報共有できている企業であれば、失敗談も集めやすいと思います。
「失敗から学んだことで、◯◯を得られ今につながっている」といったアプローチは、ユーザーの共感を得ることができるはずです。
③多くの人に共感をされやすくわかりやすいシナリオ
ストーリーマーケティングの制作にあたり、構成からシナリオ作りという流れが多いと思われます。
シナリオ制作においては、「誰にでもわかりやすいシナリオ」であることが、とても重要です。
消費者ニーズやペルソナの設定は必ず行いますが、なかには幅広い層のペルソナを想定したストーリーマーケティングを行うケースもあるでしょう。
老若男女を問わず、多くの人に伝わりやすいシナリオを作ることで、よりたくさんの人からの共感を得ることができます。
また、世代によってはSNSで拡散されることも期待できるので、若い世代にもわかりやすいシナリオは別の視点からも重要だといえるでしょう。
④登場人物に共感できる
ストーリーマーケティングの目的は、ユーザーから多くの共感や感動を得て、自社や商品のファンを増やすことです。
その中で、登場人物は企業や商品を投影しているといっても過言ではありません。
登場人物が共感を得ることは、自社や製品への共感を得られていると捉えることができます。
物語によっては、すべての登場人物が共感を得られない場合もありますが、必ずユーザーからの共感を得られる登場人物を設定することを意識しましょう。
4. ストーリーマーケティングの事
ストーリーマーケティングを実践している企業の事例を、以下に3つご紹介します。
いずれも誰もが知っている大企業であり、企業の目指すところ、ユーザーに伝えたいことをわかりやすく映像にまとめているのが印象的です。
Amazon prime
毎日忙しく過ごしている夫婦は、協力し合いながら買い物をこなしています。
連絡帳代わりの黒板には、妻から夫に向けた買い物リストが書かれており、夫は常に黒板をチェックして、指定された買い物をするという日常です。
それでも妻の忙しさは改善されず、疲れからソファでうたた寝してしまうこともしばしば。
そんな中、いつものように黒板と、黒板周りの紙類をチェックしていると、冷蔵庫に貼り付けてあった「いつでもこの頃に戻れる券」を見つけます。
夫は買い物にAmazon primeを利用し、買い物の時間を短縮。
本来であれば買い物をしている時間を使用して、妻を迎えに行き、デートを楽しむのです。
デートから帰ったら、Amazon primeで買った日用品が届いていました。
「その特別な時間が、きっといちばんの特典です」というキャッチコピーの通り、この夫婦にとって特別な時間を過ごすことができたというわけです。
Amazon primeの魅力を前面に出した動画であることに加え、使用されている曲も人気で、大きな注目を集めています。
JT 「毎回胸を打つ」と評判の、JTが行っているストーリーマーケティング。
何作も発表されていて、「「親を想う篇」、「愛する人を想う篇」、「仲間を想う篇」と続いています。
ここでご紹介している「夫婦を想う編」では、遠距離を続けてきた北村匠海さん扮する村上優人と、石井杏奈扮する二宮遙さんがついに結婚するところから始まります。
夫婦生活の中で、今まで見えなかったそれぞれの嫌な部分が見えるようになり、ケンカも増えます。
けれど、遠距離時代を思い出すシチュエーションの中で、お互いの大切さを再認識する…というストーリーです。
タバコのイメージが強いJTですが、ストーリーマーケティングの中にはタバコなど企業イメージを表すものは出てきませんし、動画を最後まで見ないとJTであるということもわかりません。
JTはこのストーリーマーケティングを通して、「人に寄り添う企業」であることを伝えるとともに、社名を知ってもらうことで人材確保にもつなげたいという目的があるそうです。
東京電力ホールディングス
TEPCOのWebCMであるこちらのストーリーマーケティングも、継続して作られています。
ここでご紹介している「家族になる篇」は、結婚目前にも関わらず気持ちがすれ違いはじめている2人が、実家近辺の停電速報をきっかけに愛を再確認する…というストーリー。
そして、家族になっていく様子を描いています。
温かい電気の光が独自の世界観を作り出し、激しさのない日常のひとコマに共感を得た人が多い様子。
さりげなく自社サービスにも触れていて、共感を得ながらさりげなくPRしている動画です。
5. ストーリーマーケティングで自社サービスのファンを増やす
ストーリーマーケティングを実践することで、自社のファンを増やし、サービス購入を促す効果が期待できることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
ストーリーマーケティングを成功させるには、「何を伝えたいか」を明確にし、さらに消費者ニーズのリサーチや作り込まれた構成、シナリオなど、さまざまな要素が重要です。
弊社PTAでは、ストーリーマーケティングの制作をお手伝いさせていただきます。
さまざまなジャンルの映像作品を手掛けたプロが在籍しておりますので、企業様のニーズにお応えいたします。
企業や製品の魅力をより前面に出した動画を制作いたしますので、ぜひお気軽にお声がけください。
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